「ソロキャンプ」や「ひとりカラオケ」など、ひとりで楽しむ「おひとりさま」という言葉が浸透してきた昨今。なかには「おひとりさまは無理!」という人もいるだろう。さのさくら(@sacla07)さんが描く漫画「ただの飯フレです」は、友達でも恋人でもなく、気軽に呼べる「飯フレ」という関係性を描く。
ひとりで外食ができないOL・春川がマッチングアプリで見つけた「恋人」でも「セフレ」でもない“ちょうどいい”距離感のご飯友達、略して「メフレ」。時間が合えば行きたいご飯屋さんに行き、愚痴ったり、相談したり、おいしいご飯を食べて、飲んで、幸せな時間を過ごす。SNS時代ならではの適度な距離感のある関係性が見ていて楽しい。今回は本作を紹介するととともに「飯フレ」が生まれた経緯や制作の裏側を著者のさのさくらさんに聞く。
■ひとりで定食屋に入れず、自宅でカップラーメンをすする“ぼっちめし”はなんだか寂しくて…
「夜ご飯どうしようかな」仕事の帰り道チェーン店の牛丼屋に立ち寄ってみる、OL春川。しかしおひとりさまご飯をする勇気はなく、自宅でカップラーメンをすすって食べる毎日。一人で自由に食べるのは嫌じゃないけれど、誰かといっしょにご飯を食べたいな、と思う。
マッチングアプリでご飯だけできる人を探しても、ヤリモク狙いの人ばかり。そろそろ退会しようと思っていたときに出会ったのが、謎の男性「次郎大好き太郎」さんだった。
■一人では入れないけれど、二人ならいろいろなお店に行けて楽しい
――「漫画の話は現実とかけ離れた設定のものが多いですが、こういう日常を切り取ったような話はいい」「リアリティがエンタメとしてちょうど良い」と読者の共感の声が届いています。飯フレというちょうどよい距離感の友達が生まれた経緯を教えてください。
担当さんと打ち合わせをしていて、「なんか週に1回ごはんだけの関係とかどうですかね?セフレのごはんバージョンみたいな…」という話から1話が生まれました。
――「飯フレ」は、縛りが強くなくてよいなーと思います。ただ相性というのが大きく関わってくると思うのですが、今回キャラ設定はどのようなところがポイントでしょうか?
それぞれに別々の「弱さ」があるところだと思っています。
――ふたりとも美味しそうに食べたり飲んだり、見ているこちらもいい気持ちです。ご飯漫画としてこだわっているところはありますか?
自分が「おいしかった!」と感じた時の気持ちを大切にしています。背伸びしすぎない食レポでいきたいです。
――「実写化しそう!」という声もありますが、いかがでしょうか?
なったらいいなと思います。太郎さんの髪型どうなるかなと思います。
――読者の皆様にメッセージまたは漫画のお知らせなどございましたら、こちらにお願いいたします。
ややゆっくりめの連載かと思いますが、更新のたびに感想をいただいたり、サイン会に来ていただいたりなどずっとついてきてくださる方に感謝しています。この世界には大変なことがたくさんあるけど、なんとか、頑張っていきましょう。
本作の相手を尊重した言葉選びや気遣いが読んでいてとても心地いい。読者のなかにも「自分にも飯フレのような関係の友達が欲しい」という声が届く。