かつては「出会い系」と呼ばれていた、インターネット上での出会い。しかし、現代ではマッチングアプリでの出会いは当たり前になった。『恋愛経験ほぼゼロ!の僕がマッチングアプリで幸せを掴むまで』(角野ブタ煮/KADOKAWA)は、そんなマッチングアプリで運命の人を探すアラサー男性のリアルな婚活奮闘記だ。
角野ブタ煮さんは、結婚への憧れを抱いていた26歳の男性。社会人になり4年経っていたが、出会いがなく、結婚どころか恋愛も遠い日々をすごしていた。「めっちゃ恋してぇ」という気持ちがあふれ、マッチングアプリをダウンロードすることから物語がはじまる。
本書では、とにかくリアルな体験が描かれている。写真詐欺をしている女性とのマッチングや初対面の異性との会話の続かなさ。きっと、マッチングアプリを利用したことのある人なら、「あるある」と共感するシーンばかりだろう。
そうしたあるあるを楽しめるのはもちろん、大人の恋愛には「結婚の条件」が大切なことも教えてもらえる。マッチングアプリという「知らない人同士の出会い」では、結婚後の生活を具体的に考えて価値観をすり合わせる必要があるのだ。
角野さんは「結婚したら男性側に家庭に入ってほしい」と望む女性と仲良くなったが、家業の跡継ぎである角野さんにはそれが叶えられない。上手くいくかもしれれなかったのに、その女性とは自然消滅してしまった。恋愛だけなら必要のない条件でも、結婚となると重要になるのが何ともリアルである。
そうした出会いを繰り返し、婚活疲れに陥っていた角野さん。マッチングアプリの期限が迫ろうとしていたある日、1人の不思議な女性・タイヤキさんに出会う。まるで運命のようにお互いの気が合ったことで、トントン拍子にお付き合いがはじまることに。しかし、そんなふたりには「価値観の違い」という壁が立ちはだかり、すれ違いが起こってしまい――。
運命の人と出会った角野さんは、どうやって壁を乗り越えることになるのか。幸せを掴むまでのリアルなできごとを、ぜひ見届けてもらいたい。
文=ネゴト / 押入れの人
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